クリーニングホック旭川0166-62-4841

しみ抜き職人が教える、クリーニングのお役立ち情報

フォーマル 衣類のお役立ち情報…クリーニング店に出す前に知っておきたいポリウレタンの衣類の注意点
ホーム | ホックの特徴 | 衣類のお役立ち情報 | クリーニング店に出す前に知っておきたいポリウレタンの衣類の注意点

cleaning hoc ポリウレタンについて

ポリウレタンと言われる素材をご存知でしょうか?

ポリウレタンは日常生活のあらゆるシーンで使用されている素材ですが
衣類の利用が一番身近に知られていると思います。
例えば合成皮革で出来たコートや伸縮性の優れたストレッチ製品や
スポーツウェアなどが当てはまります。
しかし、ポリウレタン素材を利用して作られた衣類には、
衣類を楽しむうえで知る必要のある大きな弱点があります。
そして、その弱点が原因となるクリーニング事故が頻発しています。

○ 衣類に利用されるポリウレタンについて


先ず衣類で使用されるポリウレタンの目的は主に4つに分類が出来、
それぞれ加工方法が異なります。

1. 伸縮性をもたせるため →ストレッチ加工糸

2. 異なる繊維素材を貼り合わせるため →接着樹脂

3. 生地に特徴あるコーティングを施すため →コーティング加工布

4.革製品に似せた商品をつくるため →合成皮革、人工皮革

○ そもそもポリウレタンって?


ポリウレタンは2種類の化学物質を結合させ反応させることで
生まれた化合物の総称を云います。
衣類に利用される場合には、伸縮性を機能として持たせたものや
革製品に似せた合成皮革のコーティングなど、また生地と生地を
縫わずに接着樹脂として利用するなどして活躍します。
しかし、衣類で利用されるポリウレタンという素材は、
作るときに結合させた部分が体脂や空気中の水分、大気ガス、熱、紫外線
などの影響を受け、時間と共に少しずつ分解されていってしまう
という、避けられない弱点を持っています。こうした現象を
【経時劣化】と呼びます。
つまり、ポリウレタン素材の衣類は着用せずとも「いずれは劣化
していくもの」と覚えておくことが、衣類の購入の際や購入後で
の取り扱いなどでも非常に大切なことなのです。

○ ポリウレタン素材の衣類の寿命


ポリウレタン素材は衣類以外に車のシートやソファーなどでも使用
され、そうしたものに対しては経時劣化を防いだり、遅らせたりする
加工を施していますが、衣類では『製造されてから通常2年~3年の寿命』
とされています。
ただ、この2年~3年という期間はあくまで目安であり、使用環境や取扱い
方法により劣化のスピードが早まったり、逆に長持ちする場合もあります。

○ ポリウレタン素材の衣類の経時劣化 事例


・靴下の口の部分、つま先部分、かかと部分がヨレヨレになる

・伸縮性のあったズボンがヨレヨレになる

・ズボンの表面からポツポツと白い繊維状のものが出た

・ジャケットの表面が剥がれ、ボロボロとカスが落ちる

・コートの表面がヒビ割れした

・ジャケットの表面がベタベタする

○ ポリウレタン素材に敏感になりましょう


ポリウレタン素材は、時間や環境と共に劣化することになり
ますが、意外にこの真実を知らない消費者が多いのが現状です。
しかも、衣類に使用されている素材を消費者に説明するはずの
「表示ラベル」には、「ポリウレタン」の使用について、糸や
コーティングについては明記されることが多いのですが、
【接着樹脂として貼り合わせた】ということを明らかにする何らかの
表示がされていないケースがほとんどで、そうなると購入者自身
が見極めるか、販売員に尋ねることが必要になります。
そして更に厄介なのが、ポリウレタンの劣化は購入時からスタート
するのではなく、製造時からスタートしているということです。
近年、アウトレットやネットオークションなどで通常価格より更に
安値に衣類が手に入るようになりましたが、製造時から販売時まで
の期間がどの程度経過しているのかにより、購入しても思いのほか
短命に終わってしまうケースがあることもあります。

○ まとめ


最後にポリウレタン素材の知識として必要な事項をまとめてみました。
商品を購入の際の参考にして下さい。

・ 着用してもしなくても劣化は進む

・ 水分や湿度の他に日光や紫外線といった様々な環境条件で劣化のスピード
が変わることがある

・ 劣化の始まりは【購入時】からではなく【製造時】からである

・ 購入時に表示ラベルをよくチェックする

・ クリーニング処理により元々劣化が進んでいた状態が表面化することがある


クリーニングホックのtopページへ戻る