一般的にダウンジャケットはシーズン中に着る回数が多いにも関わらず、
洗濯やクリーニングする割合は少ない特徴があります。
そうした理由により、シーズンが終わる頃には垢や皮脂の汚れ、
汗、食べこぼしなどの汚れが生地の表面にたくさん付着して
温かい空気をダウンに取り込むなど
ダウンジャケットとして!の機能も衰えます。
そしていわゆる「汚れ」以外にもダウンジャケットのもつ特性上、
ダメージが避けられない場合があります。
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3つの主なダメージの事例!
◇紫外線によるダメージ
化学繊維であるナイロンは日光に弱かったり繊維に対する色の定着率も劣る特徴を持っています。また、基本的に
化学物質である染料は化学的作用によって衣類の繊維に染色されます。
そこに、紫外線という目に見えない光のエネルギーが投射されると、
化学的に結合していた染料の分子が分解されてしまうことなどが
原因と言われ「変色」や「脱色」を引き起こします。
これが紫外線によるダメージのメカニズムです。
◇酸化窒素ガスによるダメージ
ナイロンという素材は、石油ストーブやファンヒーターガス湯沸かし器、ガスコンロ、車の排気ガスなどから
発生する酸化窒素ガスの影響を受けやすい素材です。
例えばファンヒーターのある部屋にナイロンのダウンジャケット
を掛けておくと酸化窒素ガスの影響より変色する恐れがあります。
また、クローゼットなどに保管していても同じ部屋でガスコンロ
を使用していたり石油ストーブを使用していたりしても同様の
メカニズムで変色するケースがあります。
ちなみに酸化窒素ガスによる影響はポピュラーな問題である為
本来メーカーは製品試験の中で「窒素酸化物に対する染色堅ろう度試験」
という試験を行うことが望まれますが、コストや納期の問題などにより
製品試験が行われず市場に出回ることもあるため注意が必要です
◇コーティングの自然劣化によるダメージ
ダウンジャケットは商品によって様々なコーティング加工がされる場合があります。光沢を出す為のコーティングや生地の強度を強める
為のコーティングなど様々です。その様な中でもポリウレタンを使用
したコーティングは素材の特性上必ず時間と共に劣化し最終的には
ボロボロとコーティングが剥がれます。
ダウンジャケットと長く付き合う為の秘訣
ダウンジャケットは様々なブランドから販売される人気のあるアウターですが
デザインは様々で、高価なものもあれば低価格のものもあります。
また、近頃では節約志向の家庭が増え自宅で洗濯する人も増えているようです。
しかし、ダウンジャケットに限らず、愛着があり出来るだけ長く使用
したい場合はやはりクリーニング店にお願いする事をお勧めします。
せっかく高価なダウンジャケットを買ったのに無理をして自宅洗いに
チャレンジして失敗してしまっては本末転倒です。
そこで、まとめとしてダウンジャケットと長く付き合う為のポイントをお伝えします。
◇製品の選び方
手で触って大きなフェザーが入っていないかを確認しましょう。また、強く押した後の膨らみの回復具合を確認しましょう。
理由としては大きなフェザーが多く膨らみの回復が悪い製品は
自宅洗いはもちろん適切なクリーニングを行っても膨らみが低下する
可能性があります。
◇日々のお手入れを欠かさない
雨などに濡れたらしっかり拭き落として下さい。放っておくと雨染みを引き起こす場合があります。認識出来る汚れもそのままにせずに、
しっかり拭き取るか、汚れの種類によってはクリーニング店に
相談する事をお薦めします。
◇優れたクリーニング店を選ぶ
ダウンジャケットの大きな特徴は保温性です。その保温性を保つうえで重要なのが膨らみを損なわないことです。
汚れをしっかりと落とし、膨らみを復元するには、相応の手間と
技術が必要です。
洗濯回数の少ないダウンジャケットを家庭洗濯で済まして次の
シーズンまでしまうという方法は、例えば汚れが完全に落ちきれて
いなければ、カビや臭いを引き起こしたり、コーティングの劣化を
早める原因になります。また誤った方法で行えばふくらみも本来のふくらみを
取り戻す事が出来なくなります。
また、ダウンジャケットは品物によっては様々な加工が施されていたり
付属品がついていたりします。そうした加工や付属品も含めて、
一番良いクリーニング方法を判断出来るクリーニング師のいる
お店を選びましょう。
ダウンジャケットに限らず、知識と経験の豊富な優れたクリーニング店を
選んで利用することが衣類を長く楽しむうえでのポイントとなります。
ダウン編
・ダウンジャケットの洗濯について
・冬の季節にはかかせないダウンについて
・ダウンジャンバーの羽毛なぜ抜けるのか?
・ダウンコート プロが薦める ふわふわに仕上げるコツ
・ダウンを来年も着るためのコツ

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